いつの間にかこちららをじっと見つめていたウッドロウは、はっと顔を上げたリオンと視線が合うとにこりと笑いかけてきた。目が覚めていたことに気付かれたか、と思うよりもその笑顔に戸惑った己に、更にリオンは戸惑うことになる。 先ほどまでは何の感情もないような状態で座り込んでいただけに、この表情の変わり方に驚いたのだろうか。 しかしそんなことで何故戸惑うのだと戸惑っていると、その沈黙をなんととらえたのかウッドロウが申し訳なさそうに眉根を寄せた。 「あぁ、それとも…ただ少し起きただけかな?だとしたら私が起こしたことになってしまうね、すまない」 そう言って謝らせてしまったことが多少心苦しくて、リオンは戸惑いを振り払ってなんとか言葉を返す。 「いや…少し前から起きて、いた」 「そうかい?ならばいいのだけれど」 他の皆を起こさぬようにとトーンが落とされた声は、それでもするりとリオンの耳に入り込んでくる。心地よい低さの音だ。ゆっくりと奥まで入り込んでくるような、ゆるやかな。 ―――今なら眠れる、かもしれない。 話を聞いている最中に失礼だが、リオンはふとそんなことを思った。 が、すぐさまそんな状態ではないと冷静に戻り、ごほ、と小さく咳払いをした。 「…見張りを代わる、お前は寝ろ」 どうせ眠れないのならばいっそ見張りに徹していた方がいいだろう、そう思ったリオンがそうつぶやいてばさりと毛布から出ようとすると、それをウッドロウが止めた。 「いや、もう少し寝ていたまえリオン君。あまり…眠れていないのではないかな?」 「!」 思わず動きを止めて目を見開く。シャルティエやスタンにさえ気づかれなかったというのに、出会って数日の男にそれが見抜かれるとは思っていなかった。 羞恥と悔しさにも似た感情が胸の中を駆けあがり、それがリオンから冷静さを奪いまたしても戸惑いを生んだ。 「僕は別に…」 「あぁ違っていたら済まない、だが…同じ、ような気がして」 「…同じ?」 戸惑うようにつぶやかれた言葉にリオンが首をかしげると、ウッドロウは苦笑して肩をすくめた。 「恥ずかしいことにね…私はしばらく、しっかりとした睡眠がとれていないんだ。横になるたびに色々なことを考えてしまう。グレバムのこと、父上のこと、なにより…国民達のことを。考えると結局眠れなくなってしまう。こんなことではいけないとわかってはいるのだけどね」 そんな風には見えなかった。 …はいここまで。 ね、ものっすごく途中で止まってますよね。やっとウッドロウが話し始めたところなのに。でもどうにも続きというかオチというかラストというか、が書けなくなったので、しばらくねばってたんですがそろそろ諦めようかと思ってお蔵出し。ちなみに更新日時は2008年8月20日になってました。でも書き始めたのはさらに二か月ぐらい前だと思います。 万が一にも最後まで書けたらちゃんとメニューの方で更新したいんですが…なんか、希望が見えない、よ。 完結しないとわかってなお読んでくださってありがとうございました。 そして中途半端ですいません。 |